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感動をつくる人の原点|Season2 第12話 マエストロとの出会い

8月18日
読了時間: 2分


東京でダンサーの仕事を始めた頃、

私は、あるレストランのステージショーに出演することになった。


そのショーの演出家が、Larry Billman (ラリー・ビルマン)さん


細身だけれど背が高く、いかにも“アメリカ人”という雰囲気の男性だった。(笑)

そして、その瞳はとても優しかった。


後に私が、「マエストロ」と呼ぶことになる人物だった。


私は彼が手がける作品に関わりながら、それまで自分が知っていた劇場という世界の外にも、さまざまなエンターテインメントがあることを知った。


Larryさんは、作品をつくるだけの人ではなかった。

出演者を集めて、ダンスについての講義を開いてくれることもあった。

ジャズダンスをはじめ、さまざまなダンススタイル。

映画やミュージカルの話。

日本ではまだあまり知られていなかった世界を、実演を交えながら楽しく教えてくれた。


私たちにとって、その時間は毎回、新しい発見の連続だった。

そして何より、Larryさんはジョークが大好きだった。

いつも笑顔。

現場には自然と笑いが生まれる。


出演者だけではない。

スタッフも含め、その場にいる誰もが、Larryさんのことを大好きだった。

気がつけば、その笑顔を中心に、現場全体が一つになっていた。


そんな空気をつくることもまた、彼の才能だったのだと思う。


彼は、私に技術だけを教えた人ではない。

作品づくりの楽しさ。

仲間を信じること。

そして、人の心を動かすエンターテインメントとは何か。

その考え方を、背中で教えてくれた人だった。


あの頃、Larryさんから教わったことは、長い年月が過ぎた今も、私の中に残っている。


作品をつくる時。

仲間と向き合う時。

誰かを育てる時。

ふと立ち止まった時に、あの頃のLarryさんの笑顔を思い出すことがある。


だから今でも、私は敬意を込めて彼をこう呼んでいる。


マエストロ。


そして、


私の恩師。




読んでいただき ありがとうございました。

中間裕子(Yuko.Ai.Nakama

 
 
 

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