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感動をつくる人の原点|Season2 第13話 創るということ

8月21日
読了時間: 2分

振付師として仕事を始めた頃、私は劇場とはまったく条件の違う場所で、振付をするようになりました。

それまで私が知っていたのは、劇場の舞台です。

劇場には照明があります。

「今、お客様にどこを見てもらうか。」

照明によって、観客の視線を導くことができます。


ところが、太陽の下ではそうはいきません。


とにかく、全部見える。


見せたい出演者だけではなく、次のシーンのために準備している出演者まで見えてしまいます。


では、どうやってお客様の視線を導くのか。


そこで私が学んだのが、人の動きとフォーメーションでした。


見せたい人を動かし、周りを一瞬止める。

動きに強弱をつける。

フォーメーションを変化させながら、自然と見せたい場所へ視線を導いていく。


そして、もう一つ気づいたことがありました。


太陽の下でも成立するように創ったステージは、夜になって照明が加わると、さらに魅力的になる。


この考え方は、今でも私の中に残っています。


照明を十分に使える場所であっても、

「もし照明がなくても、このフォーメーションだけで成立するだろうか。」

そう考えます。


振付は、ステップを創ることだけではありません。

お客様に、何を、いつ、どこを見てもらうのか。

それを考えることも、振付の大切な仕事なのだと思います。


駆け出しの頃、リハーサルに入る前に、自分で作ったフォーメーションシートを演出家に見せながら、振付のプランを説明していた時期がありました。


「この音で、全員が移動を始めます。」

「この音までに、このフォーメーションになります。」

「ここで、全員がユニゾンで踊ります。」


当時の私は、演出家に自分のプランを説明しているつもりでした。


でも今振り返ると、あの時間には、もう一つ意味があったように思います。


人に説明することで、自分自身の頭の中も整理していた。

「なぜ、ここで動くのか。」

「なぜ、この形なのか。」

人に説明しようとすると、自分の中で曖昧だったところが見えてきます。


そして、もう一度フォーメーションシートを見直す。


創っている最中は、どうしてもその中に入り込みます。

ステップにも、音にもこだわる。


だからこそ、ときには一度そこから離れて、自分が創ったものを見てみる。

客席から見るように、自分の作品を見る。


夢中になって創ること。


そして、一歩離れて見ること。


その両方を行ったり来たりしながら、作品は少しずつ磨かれていくのだと思います。 読んでいただきありがとうございます。 中間裕子(Yuko.Ai.Nakama)

 
 
 

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