感動をつくる人たち|第10話 主役ではない人が、舞台を支えている
- 4月24日
- 読了時間: 2分
更新日:4月27日

舞台が始まれば、客席の視線は自然と主役へ集まります。
スポットライトを浴び、拍手を受け、物語の中心に立つ人たち。
それは、とても美しい瞬間です。
けれど私は、その輝きの奥にいる人たちに、いつも感謝しています。
たとえば、舞台袖で行われる “早替わり”
出演者がステージを降りてきた瞬間、次の衣装は準備されていて、数十秒のうちに着替えを終わらせ、次の出番へ送り出す。
そこでは、言葉より先に手が動きます。
衣装を外し、整え、靴を履かせ、飾りを直し、呼吸を整える。
もしファスナーが壊れて脱げなくなったら――衣装スタッフは迷いません。
衣装を破ってでも、次の出番に間に合わせる。
それほどまでに、舞台を止めない覚悟で立っています。
早替わりは、出演者にとっても独特の緊張があります。
私自身、早替わりの多いレビューショーに出演していた頃、ステージの上で踊っている時の方が、ほっとしていたことがありました。
それほど、舞台袖の数十秒には濃い緊張感があります。
元出演者の中には、引退したあとでも、「早替わりに間に合わず、出遅れした夢を見る」そんな話を耳にすることさえあります。
けれど、その緊張の時間を支えてくれる人たちがいるから、出演者は安心して舞台へ戻ることができます。
そしてスタッフたちは、出演者より早く現場に入り、安全確認をし、道具を整え、衣装を並べ、今日の本番に備えています。
観客には見えない場所で、誰より早く舞台を始め、誰より遅く舞台を終える人たちです。
もしかすると、こうした舞台裏の仕事に興味を持つ方もいるかもしれません。
表には見えなくても、人の心を動かす大切な役割が、そこにはあります。
舞台が成功した時、拍手は主役へ送られます。
それでいいのだと思います。
けれど、その拍手の奥には、名前の出ないたくさんの仕事があります。
主役ではない人が、舞台を支えている。
そのことを知るだけで、見えている景色の奥にも、たくさんの想いがあることに気づかされます。
舞台の見方が、少し変わるかもしれませんね。
中間裕子(Y.Ai.Nakama)




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