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感動をつくる人たち|第9話揃えるだけでは、舞台は完成しない

  • 4 日前
  • 読了時間: 2分

更新日:14 時間前



何百回とリハーサルを重ねた舞台でも、

本番が毎回 同じになることはありません。


客席の空気。

出演者の呼吸。

その日の緊張感、

その瞬間の熱量。


すべてが、その日、その回だけのものです。


もちろん、舞台には “揃える美しさ” があります。


上げた手の高さ。

足を出す角度。

目線の高さや向き。

列のライン。


一糸乱れぬ群舞が生む迫力は、舞台ならではの魅力です。


けれど、揃えることだけを守りすぎた舞台は、どこか息苦しくなることがあります。


完璧なのに、なぜか 心が動かない。 完璧なのに、なぜか つまらない。

そんな悩みを持つことはありませんか?


ダンスを揃えるために、私たちはさまざまな工夫をします。


ただ「1、2、3、4、5、6、7、8」と数えるだけではありません。


音楽の流れや、メロディーの“タメ”に合わせて、

「1、2 , 3 and4」「5、6 、7 and 8and 1・・・」


そんなふうに、独特のカウントで、声を出しながら合わせることがあります。


カウントを数えているようでいて、本当は呼吸を合わせているのです。


その声に合わせて、全員の身体が同じタイミングで動き出す。

舞台の上の空気そのものが、ひとつになって動いていく。


でも、それだけでは舞台は完成しません。


出演者は、同じ形につくられた人形ではありません。

身長も違えば、手の長さも違う。


そして、同じ音楽を聴いていても、心に届いているリズムやメロディーは、それぞれ少しずつ違います。


ドラムの鼓動を強く感じる人。

ベースのうねりに乗る人。

歌声やコーラスに心を動かされる人。


感じ方も、表現の仕方も、一人ひとり違うのです。


だからこそ、ほんの少しの自由が必要になります。


私が作品をつくる時、あえて出演者に“遊び”を渡すことがあります。


数小節だけフリースタイルで、自由に踊ってもらう。

それぞれが好きなポーズを3つ作ってから、次のユニゾンの振り付けへ入る。etc.

そんな時間を、あえてつくることがあります。


決められた形の中に、少しだけ自分の色を入れてもらうのです。


すると舞台に、命がが宿ります。


揃っているのに、生きている。

整っているのに、あたたかい。


揃えることは大切です。

でも、揃えるだけでは、舞台は完成しない。


その余白こそが、人の心を動かすのかもしれません。


読んでくださってありがとうございます。

心に残りましたら、応援いただけると嬉しいです。



中間裕子(Y.Ai.Nakama)

 
 
 

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