感動をつくる人たち|第13話 音楽がつくる、ライブショーの物語
- 21 分前
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ミュージカルでは、幕が上がる前に、
オーケストラピットからオーバーチュアが流れることがあります。
劇中に登場する主要なメロディーが、ひと足先にメドレーとなって響きはじめる。
それは、ただの前奏ではありません。
プロローグは、物語の扉です。
その音を聴きながら、観客の心は少しずつ舞台へ向かっていきます。
これから何が始まるのだろう。
どんな景色に出会えるのだろう。
期待が高まり、胸が弾み、やがて幕は静かに上がる。
もうそこは、日常ではなく、物語の世界です。
テーマパークのパレードやライブショーでも、最初に流れるオープニングの音楽があります。
その数秒で、空気は変わります。
足を止める人。
笑顔になる人。
子どもたちの目が輝く。
音楽には、人をその世界へ案内する力があるのです。
そして音楽は、感情をそっと助けてくれます。
たとえば映画でも、何か危険が近づく場面になると、まだ何も起きていないのに、
心がざわつくことがあります。
低く響く音。不穏なリズム。少しずつ高まっていく緊張感。
人は映像の中で、音楽からも物語を感じ取っているのかもしれません。
反対に、明るく弾むリズムが流れれば、心は軽くなり、身体まで動き出します。
手拍子をしたくなる。
一緒に踊りたくなる。
知らない人同士でも、笑顔がつながっていく。
観客参加型のショーで、会場がひとつになる瞬間。
そこにも、音楽の力があります。
そして最後に、音楽は感動の頂点をつくります。
ひとつの強いメロディーが、何度も重なっていく。
テンポを速めたり、ゆるやかに落ち着かせたり。
ときに静かに息をひそめ、ときに一気に景色を広げるように高まっていく。
そんなさまざまな手法を用いながら、観客の気持ちは、自然に最高潮のラストへと導かれていきます。
気がつけば、胸が熱くなっている。
気がつけば、拍手をしている。
それもまた、音楽が連れていってくれた感動なのです。
舞台の上では、出演者が歌い踊り、照明が輝き、物語が進んでいきます。
けれど、その時間を見えない場所で進めているのは、音楽なのかもしれません。
ラストの一音が消えたあとも、その余韻は、観た人の心の中で生き続けます。
私は、そんな音楽の力を信じています。
音楽は、耳で聴くものではなく、心を動かすために存在しているのかもしれません。
今度、舞台や映画をご覧になる時に、一緒に流れている音楽を少し意識してみると、
その作品の中に、新しい発見があるかもしれませんね。
読んでくださってありがとうございます。
なにか心に残りましたら、応援いただけると嬉しいです。
中間裕子(Y.Ai.Nakama)




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