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感動をつくる人たち|Season3 第5話「自由」と「勝手」は違う

10月12日
読了時間: 3分

私は、作品の中に、出演者が自由に表現できる場所をつくることがあります。

でも、

「自由にやっていいよ」は、「何をやってもいいよ」ではありません。

決めるところは、きちんと決める。

その上で、出演者に託すところをつくる。

例えば、リハーサルで、

「はい。好きなポーズ!」

と言うことがあります。

「アクション!」

それぞれが思い思いのポーズをする。

「あ、それ、いいね!」

となれば、そのままその人のポーズとして決めることもあります。

でも、ステージでは、出演者全員のポーズが、ひとつの絵として客席から見えます。

自由にやってもらうと、偶然、同じようなポーズが重なることもある。

そんな時は、全体のバランスを見ながら調整して、最終的には一人ひとりのポーズを決めていきます。

まず、自由にやってもらう。

そこから、いいものを拾う。

そして、作品として整える。

リハーサルの中で出演者から出てきたものを活かしながら、最終的には演出として決めています。

その一方で、作品によっては、

何小節かを、出演者の自由な表現に任せることもあります。

そこは、本番でも毎回同じでなくていい。

その日の空気や、出演者同士のやり取りから生まれるものもある。

そんな「ライブならではの遊び」を、あえて残しておく。

でも、その自由を誰にでも、何でも託せるわけではありません。

自由を託せる人

その自由を託すために大切なのは、まず出演者の技量。

そして、

「この人なら託して大丈夫」

と思える信頼関係です。

どんなに技量があっても、作品の世界観から外れてしまったら違う。

全体のバランスを壊して、自分だけ目立とうとするのも違う。

そこを越えたら、それは「自由」ではなく「勝手」になります。

だから、自由に表現できる場所をつくる時には、

「ここまでは自由。でも、これは違う」

その境界線を、きちんと共有しておく必要があります。

リハーサルだから、やってみる

そのためにも、リハーサルでは、あえていろいろやってもらうことがあります。

初めて一緒に仕事をする出演者や、私がまだその人のことをよく知らない場合は、

どんな発想をするのか。

どんな可能性を持っているのか。

それを見る時間にもなります。

よく知っている出演者なら、その人の個性を活かして、自由に表現してもらいます。

リハーサルなんだから、失敗してもいい。

やってみて、違えば直す。

面白ければ、取り入れる。

そして、そのやり取りを、出演者と演出間だけでなく、立ち会っている舞台監督や制作・運営スタッフとも共有していく。

本番が始まる頃には、作品の世界観と、その中で許される「自由」を、チーム全体が理解してもらえる為です。

毎日やっている人だからこそ

そして、本番が始まる。

リハーサルで、ほとんどのことは決まっています。

それでも、毎日その作品を上演している出演者だからこそ、生まれることがあります。

ほんのちょっとした芝居。

ちょっとしたリアクション。

ある日、それを見て、

「あ、それいいじゃない!」

私が考えていなかったことでも、作品の世界観から外れていない。

むしろ、そのシーンが少し豊かになる。

そんな「ライブならではの遊び」から生まれたものなら、

「Keep!」

です。

演出家が考えたものだけで、作品が育っていくわけではありません。

出演者から生まれたいいものは、

美味しくいただきます。(笑) 読んでいただき ありがとうございました。 中間裕子(Yuko.Ai.Nakama)


 
 
 

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