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感動をつくる人たち|第22話誰に届けたいのかを、考え続ける

  • 5月6日
  • 読了時間: 2分



第21話では、なぜこの仕事をやめられないのか、という「内側の理由 」について書きました。


では、その感動を、誰に届けたいのか。


この問いには、いつもはっきりとした答えがあるわけではありません。

けれど、作品をつくるたびに、必ずどこかで考えていることでもあります。


子供向けのショーであっても、

いわゆる“ 子供だまし ”のようなものにはしたくない。


大人向けの作品であっても、どこかに、子供でも楽しめる余白を残しておきたい。


大人も、童心に戻れる。

子供も、ちゃんと“ 本物 ”に触れられる。


そんな時間をつくれたらいいと、いつも思っています。


子供の頃、テーマパークで何気なく耳にしていた音楽が、後になって「あれはラグタイムだったんだ」と気づいたり、カントリーウエスタンやラテンのリズムが流れていたことを知る瞬間があります。 そのとき一緒に、あの場所の空気ごと、ふっとよみがえることはありませんか。

子供の頃は、それを特別な音楽だとも意識せずに、ただ空気のように聞き流していたのかもしれません。


けれど、その時間の中にあった楽しさや高揚感は、どこかに静かに残っている。


あの頃は、ただ「あの場所の、あのリズム」という感覚だけだったとしても、時間が経ってから、ふと意味を持ちはじめることがあります。


音楽として覚えていなくてもいい。正しく思い出せなくてもいい。


それでも、あの場所の光や匂いと一緒に、感情だけがふっと戻ってくる瞬間があります。


その場で全部が伝わらなくてもいい。その瞬間に、すべてを理解してもらえなくてもいい。


でも、いつかどこかで思い出してもらえたら。あのとき感じた何かが、少しだけ心に残っていたとしたら。


それだけで、十分なのかもしれません。



誰に届けたいのか。その答えは、ひとつではありません。

だからこそ、毎回迷いながら、考え続けています。

目の前にいる誰かのために。そして、まだ出会っていない誰かのために。

そのどちらにも、きちんと届くように。

今日もまた、そのことを考えながら、エンターテイメントをつくっています。

きっと、また迷いながら。



読んでくださってありがとうございます。  心に残りましたら、応援いただけると嬉しいです。

中間裕子(Y.Ai.Nakama)

 
 
 

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