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感動をつくる人たち|Season3第10話「ショーは、いつ始まるのか」
― オープニングのつくり方 ― ショーのオープニング。 皆さんは、どんな始まり方を思い浮かべますか? 華やかな音楽とともに幕が上がり、出演者たちが次々と登場する。 照明が一斉に輝き、ステージいっぱいに歌とダンスが広がる。 そんな光景を思い浮かべる方も多いかもしれません。 もちろん、それもオープニングのひとつです。 でも、ショーの始まり方には、さまざまな方法があります。 私がオープニングを考えるとき、まず思うのは、 「このショーの幕を、どうやって上げようか。」 そして、 「観客の心を、どうやってつかもうか。」 ということです。 会場によっても、作品のテーマによっても、その答えは変わります。 そして、もうひとつ。 私は、開演前のBGMから、すでにショーの雰囲気づくりが始まっていると考えています。 今回は、そんなオープニングのお話です。 幕が上がる前のサプライズ 2016年、東京ディズニーシー15周年を記念して、全国ツアーのコンサートが開催されました。 『東京ディズニーシー15周年 “ザ・イヤー・オブ・ウィッシュ” イン・コンサート』...
4 日前


感動をつくる人たち|Season3 第9話 演出は、現場を見てから始まる。
「屋外スペースを使って、ショーをつくってください」 そんな依頼を受けたら、あなたは何から始めますか? もし私なら、最初にこう答えます。 「まず、現場を見せてください。」 屋外では、演出を考える前に、まず確認しておかなければならないことがあります。 音響や照明をどこに設置できるのか。 電源はどうするのか。 どのくらいのお客様を、どのエリアに入れたいのか。 まずは、その場所でショーを成立させるための条件を確認します。 まず、現場に行ってみる 現場へ行ったら、音響や照明などのスタッフと、スピーカーや照明を設置できる場所を確認します。 そしてクライアントとは、ステージを組むのか、どこをパフォーマンスエリアとして使うのか、どのくらいのお客様を入れたいのかを確認します。 大まかな条件が見えてきたら、今度はお客様が座るであろう場所から、会場全体を見ます。 ステージの場所や大きさ。 出演者の動線。 その途中に段差や傾斜はないか。 実際に歩いて、距離を測り、写真を撮ります。 もし自由に入れる場所なら、一人で何度も現場へ行くこともあります。 そして、その場所を見なが
10月27日


感動をつくる人たち|Season3 第8話パレードを演出する
― エンターテインメントに、正解はない ― パレードとは、華やかな衣装を着た出演者たちが、音楽に合わせて行進する。 色とりどりに装飾されたフロートが、次々と目の前を通り過ぎていく。 観客は手を振り、歓声を上げ、笑顔になる。 それが、一般的なパレードのイメージかもしれません。 私が初めてディズニーのパレードを観たのは、1983年。 東京ディズニーランドのグランドオープンの日でした。 華やかな衣装を着た出演者たち。 色とりどりのフロート。 そして、先頭を行くマーチングバンド。 特に印象に残っているのは、そのマーチングバンドの演奏でした。 遠くから音楽が聞こえてくる。 少しずつ近づいてくる。 その音を聞いているだけで、ワクワクしました。 やがて、いろいろな場所で、さまざまなパレードを観るようになり、振付にも携わるようになりました。 そして、演出家としてパレードをつくる仕事も経験することになります。 その中で、私が考えていたことがあります。 私が創るパレードは、単なる「動く大道具と出演者」にはしたくない。 パレードは、もっと違う形のエンターテインメント
10月24日


感動をつくる人たち|Season3 第7話 型ではなく、精神を受け継ぐ
ロングランの作品では、出演者が少しずつ入れ替わっていきます。 新しい人が入り、先輩が教える。 その人が何年か経つと、今度は後輩に教える側になる。 そうやって、作品は人から人へ受け継がれていきます。 でも、長く続けば続くほど、難しいこともあります。 「なぜ、そうするのか」 が、いつの間にか抜けてしまうことです。 まず、その時代を知る 新しい出演者が入ってきた時、まず伝えていたのは、作品の時代背景でした。 このショーで使われているのは、1930年代から1940年代にかけてのSwing Jazz。 その時代のStyleを理解してほしい。 でも、 「その時代へタイムスリップしているわけではない」 ということも伝えていました。 だから、その時代を知るために、 「『ザッツ・エンターテインメント』などの映画を観て、研究してください」 と話していました。 立ち方、座り方、手の使い方、リアクション。 振付を覚えるだけではなく、 その作品が生きている世界を知る。 まずは、そこからです。 最初は、誰かの真似でもいい 日々の現場では、ラインキャプテンや先輩たちが、とても
10月21日


感動をつくる人たち|Season3 第6話 変えるもの、残すもの
リニューアルって、難しい。 1作目が好評だった作品ほど、難しいと思います。 新しくしたのに、 「前の方が良かった。」 と言われてしまうことがある。 これは、絶対に避けたかった。 10年間ロングランを続けてきたSwing Jazzのショーを、大きくリニューアルすることになった時、私の中にはひとつの思いがありました。 絶対に、前作を上回る。 でも、不思議と不安はありませんでした。 なぜなら私は、その日をずっと待っていたからです。(笑) ずっと、やりたかったことがあった 10年間、同じ作品を上演している間にも、 「もし、いつかリニューアルできるなら……」 と考えていたことがありました。 舞台美術。 衣装。 楽曲。 やりたいことは、たくさんありました。 だから、いざリニューアルが決まった時、 「さて、何から始めよう?」 ではありません。 全部、同時です。(笑) 舞台美術も、衣装も、楽曲も。 すべて、一斉にGO! ただし、その前に決めていたことがありました。 残すものです。 変えないものを、先に決める オープニングとカーテンコール。 そして、フィナーレのタ
10月18日


感動をつくる人たち|Season3 第5話「自由」と「勝手」は違う
私は、作品の中に、出演者が自由に表現できる場所をつくることがあります。 でも、 「自由にやっていいよ」は、「何をやってもいいよ」ではありません。 決めるところは、きちんと決める。 その上で、出演者に託すところをつくる。 例えば、リハーサルで、 「はい。好きなポーズ!」 と言うことがあります。 「アクション!」 それぞれが思い思いのポーズをする。 「あ、それ、いいね!」 となれば、そのままその人のポーズとして決めることもあります。 でも、ステージでは、出演者全員のポーズが、ひとつの絵として客席から見えます。 自由にやってもらうと、偶然、同じようなポーズが重なることもある。 そんな時は、全体のバランスを見ながら調整して、最終的には一人ひとりのポーズを決めていきます。 まず、自由にやってもらう。 そこから、いいものを拾う。 そして、作品として整える。 リハーサルの中で出演者から出てきたものを活かしながら、最終的には演出として決めています。 その一方で、作品によっては、 何小節かを、出演者の自由な表現に任せることもあります。 そこは、本番でも毎回同じでな
10月12日


感動をつくる人たち|Season3 第4話 その場所にしか、つくれないショーがある。
ショーをつくるとき、作品だけを考えていればいいわけではありません。 どこで上演するのか。 私は、それも演出の一部だと思っています。 劇場やコンサートホール、ホテルの宴会場、コンベンションホールなど、多目的に使うことを前提につくられた場所では、さまざまな世界をつくることができます。 でも、ときどき、 その場所自体が、強い個性を持っていることがあります。 そんな場所に出会ったとき、私は、その場所が何を語っているのかを考えます。 その主張を消してしまうのではなく、 その場所が持つ声に、耳を傾ける。 そこから、作品づくりが始まることがあります。 土臭い場所だった 以前、ゴールドラッシュの時代を舞台にした、ミュージカル型のショーをつくったことがあります。 舞台は、金鉱を中心に人々が集まる「ゴールドタウン」と呼ばれる小さな町。 映画『掠奪された七人の花嫁』を題材にした、アメリカ西部の田舎町の物語です。 金鉱を掘る男たちのところへ、都会から女性たちがやってくる。 粗野で、女性との接し方もよく分からない男たちは、彼女たちに恋をします。 けれど、うまくいかない
10月7日


感動をつくる人たち|Season3 第3話 そのショーは、誰のために上演するのか
― 誰に、何を届けるのか ― ショーをつくる時、最初に何を考えるのか。 劇場の大きさでしょうか。 出演者の人数でしょうか。 それとも、 音楽でしょうか。 私の場合、まず考えるのは、 「クライアントが求めている世界観は、何なのか」 ということです。 そして、その世界観を、どこで上演するのか。 劇場なのか。 テーマパークなのか。 ホテルなのか。 同じ世界観でも、上演する場所が変われば、演出はまったく変わります。 同じSwing Jazzでも、場所が変われば演出は変わる 例えば、 1930〜40年代のSwing Jazzを使った、華やかなショー。 そんな依頼があったとします。 劇場なら、舞台転換を自在に使うことができます。 一方、ホテルでは、劇場と同じような舞台転換は難しい。 そして、テーマパークなら、さらに別のことを考えます。 その場所ならではの要素を、ショーの中にどう組み込むのか。 そのひとつが、そこに存在するメインキャラクターとのコラボレーションです。 Big BandによるSwing Jazzの生演奏。 シンガーによる生歌。 そして、ダンサーた
10月6日


感動をつくる人たち|Season3 第2話 舞台に描く、見えないピラミッド
大人数の出演者が、ステージにいる。 さて、皆さんなら、誰を、どこに立たせますか? 私が大人数のショーをつくる時、頭の中には、いつもひとつの「ピラミッド」があります。 もちろん、本当に三角形に並べるわけではありません。(笑) これは、私なりの「絵作り」の考え方です。 前回書いたSwing Jazzのショーには、シンガー、タップダンサー、そして大人数のダンサーが出演していました。 それぞれ役割が違います。 シンガーは、シンガー。ダンサーは、ダンサー。 誰を、どう見せるのか。 例えば、このショーの場合、基本となるピラミッドの頂点には、男女4人のシンガーがいました。 その下に、2名のスペシャルタップダンサー。 さらにその下に、少人数のコーラスを担当するシンガーダンサーがいて、少人数のダンサーがいて、その下に大人数のダンサーがいる。 でも、これは出演者の序列ではありません。 今、お客様に何を見てもらうのか。 そのためのピラミッドです。 それぞれのシーンにも、別の絵がある このショー全体のピラミッドは、基本的には最初から最後まで変わりません。 でも、ショーは
10月4日
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